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MS_AzurePeeringService

nishi_74322014 edited this page Sep 1, 2026 · 1 revision

Azure Peering Service

概要

補足(この 2 つの違いが分かりにくい理由): Peering Service と
ExpressRoute Microsoft Peering は
**「同じ目的、違う手段」**であるため混同されやすい。

どちらも**「Microsoft の SaaS(Microsoft 365 等)に、
品質の良い経路で繋ぐ」**ためのものだが、実現方法が異なる。

ExpressRoute(Microsoft Peering) Azure Peering Service
回線 専用線を自分で契約する 既存のインターネット回線を使う
経路 専用線 → Microsoft のエッジ ISP の網 → 最寄りの Microsoft エッジ
インターネット経由 しない 公衆インターネットは経由しない(ISP と Microsoft が直接ピアリング)
申請 Microsoft の利用承認が必要 不要
費用 高い(回線+ ExpressRoute 課金) 安い(ISP のサービスとして提供)
主な用途 Azure の VNET への接続(Private Peering が本命) SaaS への接続

つまり、

  • Azure 上に構築した自社システム(VNET)に閉域で繋ぎたい
    ExpressRoute(Private Peering)
  • Microsoft 365 などの SaaS を快適に使いたい
    Peering Service(安価で、専用線が要らない)

という使い分けになる。

Microsoft が Microsoft Peering の利用に承認を求めるのは、
SaaS 向けに専用線を引くのは費用対効果が悪いためで、
その代替として提供されたのが Peering Service という経緯である。

詳細

特徴

Microsoft Peeringとの類似点

接続先 SaaS はマルチテナントなので、
L7 プロキシを使用して、自テナントへのアクセスのみに制限するなど。

補足(この「類似点」は重要な制約): どちらの方式でも、
経路を閉域にしても「自社テナントだけに繋がる」わけではない

イントラ ──[閉域経路]── Microsoft 365 のエンドポイント
                           ├─ 自社テナント
                           ├─ 他社テナント  ← ここにも到達できてしまう
                           └─ 個人アカウント ← 同上

SaaS は同じ FQDN でマルチテナントを提供しているため、
経路制御だけでは「自社のデータだけ」に限定できない。
結果として、

  • 社員が個人の Microsoft アカウントでログインして
    データを持ち出す、
  • 他社テナントにファイルをアップロードする

といったことが経路上は可能になる。

対策はアプリケーション層で行う。

手段 内容
テナント制限(Tenant Restrictions) プロキシで Restrict-Access-To-Tenants ヘッダーを付与し、許可したテナントにしかログインできなくする
条件付きアクセス 送信元 IP・デバイス準拠を条件に
CASB / MCAS SaaS 利用の可視化と制御

本文が「L7 プロキシを使用して、自テナントへのアクセスのみに制限する」と
書いているのは、まさにこのテナント制限のことである。
同じ議論はAzureの管理ポータルとARM API
「閉域化」の節にもある。

...

接続方法

  • パブリック・インターネットを経由しない。
  • 経路が異なる(DC 経由ではなく、ISP のネットワーク経由)。

補足(「ISP のネットワーク経由」の意味): 通常のインターネット接続と
何が違うのかを図にすると次のようになる。

【通常のインターネット】
  拠点 → ISP → 複数の AS を経由(経路は日によって変わる)→ Microsoft
         ↑ 経路が長く、品質が保証されない。障害時の切り分けも困難

【Peering Service】
  拠点 → ISP(Microsoft と直接ピアリング済み)→ 最寄りの Microsoft エッジ
         ↑ 経路が短く、ISP が品質を保証。冗長経路あり

得られる効果は、

効果 内容
遅延の低減 経路が短くなる(最寄りのエッジに入る)
経路の安定 経路ハイジャックやフラッピングを回避
可用性 ISP 側で冗長経路を確保
可視性 Microsoft 側でテレメトリ(遅延・経路)を確認できる

重要なのは、利用者側で特別な機器や設定が要らない点である。
対応 ISP と契約するだけで、既存のインターネット回線がそのまま
高品質な経路になる。これが「利用承認が不要」の実態でもある。

参考

Microsoft Docs


Tags: 移行, インフラストラクチャ, クラウド, セキュリティ, 通信技術, Azure

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